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第2国会への道

第2国会(1907年2月〜6月)

(革命の余波がまだ続いていた時期に選挙された第2国会は急進的な議会構成になり、数ヵ月後にストルイピンによって解散させられ、本格的な反動期が始まる)

ウラジーミル・プリシケヴィチ(1870-1920)

(黒百人組の反動政治家、第2、第3、第4国会議員。国会ではその極右的発言で物議を起こした)

イワン・ペトルンケヴィチ(1844-1928)

(カデットの政治家、中央委員、第1国会議員)

 「もしわれわれが空虚な抽象にもとづくなら――たとえば、カデットを支持することによって『反動を孤立させる』といった類の――、その時には、カデットとの協定によって、われわれは人民の前でカデットの弁護士の役を演じることになるだろう。そして、次の点を前景に押し出さなければならなくなるだろう。すなわち、われわれ社会民主党は世界に一つの党ではなく、われわれの他にも自由のために闘っている党が存在するということ、カデットは進歩的な政党であるということ、彼らは『土地と自由』のために闘っているということ、等々、等々。

 だが、反動を孤立させ粉砕するために何よりも必要なのは、カデットが強化しようとしている政治的偏見を住民の進歩的層の意識の中で打ち壊わすことだ、という見地に立つならば……、その時にはわれわれは、彼らと直接競合している選挙区においても、彼らに投票する選挙区においても、彼らに対する容赦ない暴露者であり続けるだろう。

 もちろん、カデットは進歩的政党であり、もちろんペトルンケヴィチ氏[カデットの政治家、第1国会議員]はプリシケヴィッチ氏[極右政治家、黒百人組]より『まし』だし、グチコフ氏[オクチャブリストの政治家]と比べてさえそうである。もちろん、カデットは「土地と自由」に賛成である。しかし、われわれ社会民主主義者は、カデット自身に、これら疑いの余地のない真理を実際に証明させたいと思っている。彼らにはそうする十分な利害関係があるし、彼らはその目的用に、カデット党のあらゆる功績と長所を並び立てるための合法的刊行物の巨大な機構と必要な数の演説家を擁している。われわれは彼らの自由主義的アジテーションを社会民主主義的に修正しなければならない。もちろん、ペトルンケヴィチ氏はプリシケヴィッチ氏よりもましである、とわれわれも言うだろう(『より小さな悪』)。しかし、重要なのは、ペトルンケヴィチ氏の戦術が、プリシケヴィッチ氏の国家独裁から諸君を免れさせることはできないという点にある。もちろん、カデットは「土地と自由」に賛成である。しかし、彼らの政治的ヘゲモニーは人民に土地も自由ももたらしはしない。しかしながら、諸君ら有権者ないし選挙人は、その多数派に関するかぎり、われわれの立場を共有してはいない。諸君は、われわれが自分たちの票でもって、黒百人組を打倒しペトルンケヴィチ氏を国会に送るのを手助けすることを求めている。われわれはそうするだろう。なぜなら、プリシケヴィッチ氏が国会に選出されたなら、彼はペトルンケヴィチ氏に対する諸君の信頼を維持するのに貢献するからであり、諸君から見て全責任がわれわれに転嫁されるからである。われわれはそうなることを望んではいない。われわれは諸君に協力するだろう。われわれは、諸君らが誤った立場にいることを示すために諸君の候補者に投票するだろう。これこそ、有権者の集会で言わんとしていることである。そして、われわれの動機が、カデットに投票しようと思っている諸君にとって当分の間どうでもいい問題であるとしても、社会民主主義的心情を持った有権者にとってけっしてどうでもいい問題ではない――われわれが、社会民主主義的有権者に対し、彼らがとっくに政治的に乗り越えた候補者に投票するよう勧める場合には。」(トロツキー「第2国会への道」より)

 

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