トロツキー写真館

  

ゴーリキーとアンドレーエヴァ

ゴーリキーとアンドレーエヴァ(1868〜1953)

(アンドレーエヴァはロシアの著名な女優で社会民主党員、ゴーリキーとの熱愛は当時大きな話題となった)

若きマリア・アンドレーエヴァ

ゴーリキーとアンドレーエヴァ

(2人は1903年からいっしょに暮らし始めた)

 「大会が始まって間もないある日のこと、私は教会の控え室で1人の男に呼びとめられた。背が高く、ごつごつした、ほお骨の突き出た丸顔の男で、丸い帽子をかぶっていた。『私はあなたの崇拝者です』、彼は愛想のいい笑みを浮かべて言った。

 『崇拝者?』、私は当惑げに聞き返した。実は、私が獄中で書いた政治パンフレットのことを言っていたのだった。私が話していた相手こそ、マクシム・ゴーリキーだった。本人に会ったのはこの時が初めてだった。

 『申し上げるまでもないと思いますが、こちらこそあなたの崇拝者ですよ』、私はあいさつを返した。

 当時ゴーリキーはボリシェヴィキに近い立場にあった。いっしょにいたのは、有名な女優のアンドレーエヴァだった。私たちは連れ立ってロンドン見物に出かけた。

 『よろしいですか』、ゴーリキーは、あごでアンドレーエヴァを指しながら、驚嘆した面持ちで言った――『彼女はあらゆる言語を話すんです』。

 ゴーリキー自身はロシア語しか話さなかったが、その話っぷりは見事だった。1人の物乞いが辻馬車のわれわれのドアを閉めたとき、ゴーリキーは哀願するような口調で言った。

 『彼にこの小銭をやらなくちゃ』。

 『もうやりましたわ、アリョシェンカ、やりました』、アンドレーエヴァは答えた。」(『わが生涯』第16章「第2の亡命とドイツ社会主義」より)

 

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