第8章 コムソモール

 誤った政治路線と組織的な抑圧は、全面的に――時にはより強まった形で――コムソモール〔レーニン主義共産青年同盟〕に持ち込まれている。青年労働者の国際主義的教育はますます後景に退ぞけられつつある。あらゆる批判的な思考は抑えつけられ、迫害されている。党機構がコムソモールの諸組織の指導部に求めるのは、何よりも「服従」と反対派狩りの姿勢である。下部活動家のプロレタリア的部分、基本的に健全なこの部分は、以上のような体制によって完全に個性を奪われている。ここでは、党内における以上に誤った政策が指導部によって実行されており、それがコムソモールの内部で小ブルジョア的影響力に道を開いている。

 この数年間、コムソモールは数的に急成長を遂げたが、その社会的構成の悪化という代償を払ってのことだった。第13回党大会以来、同盟内部のプロレタリア的中核は40・1%から34・4%に下落し、工場で働いている青年労働者の参加率は49・8%から47%に減少した。青年労働者の政治的能動性もまた低下しつつある。

 こうした状況にあって、最近の一連の決定(青年労働者の優先雇用制度の縮減、見習工向けの特別賃金等級、工業学校への入学定員数の削減。さらに無給の徒弟制度を導入する試みもここに属す)は、コムソモールと青年労働者大衆との離間を拡大することにしかならないきわめて深刻な誤りであり、第14回大会の諸決議に反して青年労働者の状況をいっそう悪化させた。

 農村におけるコムソモールは、農場労働者と貧農の支柱をますます失いつつある。農村での文化的・経済的事業は、主として個人経営の発展をめざしている。農村細胞の全般的構成や、活動的同盟員および党員同盟員の中で、貧農の比重が系統的に低下している。都市の青年労働者の加盟が絶え間なく減少していることと並んで、コムソモールは農村でますます中農・富農層の青年で満たされつつある。

 都市でも農村でも、小ブルジョア分子がコムソモールの指導権を掌握しようとする傾向が強まりつつある。同盟内では、とりわけその農村組織では、職員および「その他」の階層がますます大きな役割を演じるようになっている。

 わが党への新入党員の36%はコムソモールの出身者である(1927年7月14日付『プラウダ』)。しかしながら、コムソモールの党フラクションでは、4分の1から3分の1が「その他」の階層なのである。農村の党フラクションでは、中農が農場労働者と貧農を犠牲にして急速に増大している(中農は1925年には20%であったが、1927年には32・5%)。このようにコムソモールはしだいに、小ブルジョア分子による党の希薄化の源泉の一つに転化しつつある。

 インテリゲンツィア・職員・農村の富裕層からの新加盟員が、プロレタリア的中核の指導的役割を一段と弱め、この中核を後景に退けており、これがそのまま進めば不可避的にコムソモールの小ブルジョア的変質をもたらすであろう。こうした事態を阻止するためには、以下の諸措置が必要である

 (1)青年労働者の労働と教育の分野における革命的成果の掘り崩しをただちに停止すること。彼らの労働条件を悪化させた最近の決定をすべて破棄すること。これは、コムソモールの病的な諸現象(酒びたりやフーリガン行為など)との闘争にとって最も重要な前提条件の一つある。

 (2)労働者階級の一般的福祉を増大させることと比例して、青年労働者の賃金引き上げ、工業学校および職業技術課程のネットワークの拡大、青年労働者の熟練の向上などの手段によって、青年労働者の物質的・文化的水準を系統的かつ不断に引き上げること。

 (3)以前の党大会およびコムソモール大会の諸決定を実行し、今後数年間に都市の青年労働者と農村の青年農場労働者の100%をコムソモールに加入させること。

 (4)貧農青年を同盟に引き入れる仕事を、言葉の上ではなく実践の上で強化すること。

 (5)経済的に弱い中農を同盟に引き入れること。中農の残りの部分からはただ、社会活動、とりわけクラークとの闘争活動によって点検を受けた者のみを加盟させること。

 (6)貧農の利益擁護を強化すること。新しい農村の建設というコムソモールの活動を、個人の致富の道にそってではなく、農業の協同組合化と集団化の道に沿った方向で行なうこと。

 (7)コムソモールの党員フラクションの社会的構成を改善し、次の数年間はただ労働者・農場労働者・貧農からのみ党員の募集を行なうこと。

 (8)コムソモール諸機関の指導的中核を労働者化し、農場労働者と貧農を指導部に系統的に引き入れるために断固たる措置を取ること。大規模なプロレタリア中心地においては、コムソモールの県委員会・区委員会および両委員会のビューローの圧倒的多数が現場労働者によって構成されなければならず、その際、現場労働者が真に指導的活動に引き入れられるようにしなければならない。

 (9)官僚主義に対して本格的な闘争を行なうこと。専従職員の機構を断固として縮小し、無条件に必要な最小限にまでに引き下げること。同盟の活動の少なくとも半分、工業中心地では4分の3を、同盟員の無償の活動によって遂行すること。同盟の任務の遂行に下部のコムソモール員をより広範に引き入れること。

 (10)コムソモールの文化・啓蒙事業は、同盟が全般的な政治活動(ソヴィエト・労働組合・協同組合)および党活動に日常から積極的に参加することと緊密に結びついて遂行されなければならない。

 (11)ぞっとするような官僚的形式主義、紋切り調の「バッシング」、無知蒙昧なシパルガルカを追放すること。生き生きとした討議、同志的な意見交換、見せかけではない本物の知識の習得にもとづいて、マルクス=レーニン主義の本格的な学習に取り組むこと。

 (12)言葉の上ではなく実践の上でコムソモール内民主主義を実施すること。党とコムソモールの諸問題に関する異論の持ち主に対する抑圧を根絶し、彼らに対する迫害と同盟からの除名を取り消すこと。区・郷・県等々の協議会と大会の招集期日を規約にもとづいて厳格に遵守すること。

 

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